議会活動記事

衛星SARデータ 防災活用を

高解像地形画像を取得するレーダー

衛星SARデータは、航空機や人工衛星に搭載されるレーダーで、マイクロ波を使って移動しながらデータを集めることで高解像度の画像を取得できるシステムです。地形や構造物の凹凸を高精度で把握でき、防災や環境監視など幅広い分野で活用され、全国の自治体で導入が進んでいます。

例えば地滑り・土砂災害の監視においては、地盤の数ミリ単位の変動を長期間にわたってモニタリングすることや、斜面崩壊の兆候を早期に検出し、避難判断の材料にすることも可能です。

福岡県には最先端の衛星SARデータ技術を持つ企業があり、「防災体制への組み込みに向け県として具体的な協定や連携枠組みを検討すべき」と福岡県議会2025年9月定例会の代表質問で起案しました。

豪雨被害、土砂災害の対策に

福岡県は山地と都市部が近接しており、豪雨時に土石流・がけ崩れ・地すべりが発生しやすい地形で豪雨災害が近年頻発しています。特に耳納連山、英彦山、筑紫山地、太宰府・宇美・飯塚周辺などでは多数の土砂災害が発生しています。

福岡県は防災対策として土砂災害警戒区域の指定や砂防施設の整備を進めていますが、気候変動による極端な雨量により、従来の対策だけでは不十分なケースも増えています。

福岡市の企業が最先端技術を保有

福岡市に本社を置くQPS研究所は、国内でも先進的なSAR衛星技術を開発しており、現在5基の衛星を運用中で、将来的には36基のSAR衛星によるコンステレーション(衛星群)の構築を目指しています。地球上のほぼどこでも平均10分間隔で観測可能な準リアルタイムデータ提供が可能になるとされています。

県も災害時のSAR衛星データ活用の可能性を探る実証事業を行っており、検討状況について尋ねたところ、「現状では衛星基数の不足から、データの入手に時間がかかるなど即応性の面で課題が明らかになった。将来的には衛星基数の増加が見込まれており、衛星データの活用について検討していく」との回答がありました。

全国に先駆けた導入を要望

SARデータは「見えないものを可視化する力」を持つ技術です。福岡県のように災害リスクの高い地域ではこの技術を活用することで、より迅速で的確な防災・減災が実現できるかもしれません。福岡県が「宇宙技術を地域防災に活かすモデル自治体」として全国に先駆けた取り組むことで、県内企業の育成や産業振興にもつながると考えます。県民の命と暮らしを守るため、積極的な導入を期待します。