議会活動記事

原子力災害備え 県に専門人材配置を

玄海原発事故想定した体制づくり求める

福岡県では、原発過酷事故の際は「防災企画課・原子力安全対策係」が中核となって対応にあたると定められています。

災害後の初動対応、住民避難計画、初期被ばく医療への対応、「環境モニタリング」などを担うとされていますが、放射線量という見えない脅威のデータが入り乱れる混乱の中で、高度に科学的な防護判断を迫られることになります。

しかし、現在県では専門知識を持つ技術職員が常時配置されているわけではなく、数年で異動する行政職員が業務を担当する体制となっています。

手厚く人材を配置する自治体も

一方、福岡県と同様に原発非立地県であっても、専門人材を配置して万一のリスクに備えている自治体もあります。

滋賀県では福島第一原発事故の発生時に原子力の専門家が不在だった反省から、現在は正規で専門職員1人を配置しています。

隣県の島根県が原発を抱える鳥取県では環境モニタリングや放射線防護の「専門性」を担保するため、「モニタリング専門官」など原子力や放射線の専門知識を持った技術職5人を配置しており、万全の防護体制を整えています。

人材確保が急務

福島第一原発事故以降、原子力発電所は長い間新設されておらず、原子力分野を志す学生や若手人材の減少、現場を支える技術・技能の継承が国としての課題となっています。大学や研究機関でも教育・研究基盤の弱体化が指摘されており、今後の安全確保や廃炉、次世代炉の開発を担う人材の確保が急務となっています。

こうした状況を受け政府は現在、産業界・大学・研究機関・関係省庁が連携する司令塔となる、原子力人材を計画的に確保するための新組織を設立する方針です。今後は、原子力人材育成ネットワークの体制を見直し、人材需給の把握や中長期ロードマップの策定、各施策の進捗管理を行う体制づくりが進められる見通しです。

県、国主導の防災対応を強調

福岡県でも専門人材を配置するなど十分な体制づくりをすべきではないかと質問しました。しかし県は国主導の防災対応を強調し、部局横断的な専門人材の確保や訓練体制の構築など、県による主体的な危機管理体制の整備について前向きな姿勢を見せませんでした。

県が独自に考え対応できる備えをすべき

万一の事故の際、国に委ねるだけではなく県が独自に判断できる知見を備えていただきたいというのが県民の願いです。

また若い世代の原子力関連産業離れが進めば、専門人材が地域から減少し、原子力災害が発生した場合、十分に状況を検証・分析できなくなることも深刻な問題です。

県としても、大学や医療機関との連携を深め、将来の福岡を支える原子力の専門技術人材の育成と確保に早期から取り組むべきです。